2009年9月12日土曜日

コロッセオで殺して 2

ローマに残る円形闘技場コロッセオは競技場であった事に間違いはないが、皇帝が民衆に顔見せを行い、その民衆から審判を受ける場所でも有った。良い政治なら喝采、悪ければブーイングの嵐。
 ネロ帝の様に皇帝といえども余り無理なことをすると民衆から自死を迫られたり暗殺された皇帝がなんと多かった事か。
強大の権力を持つローマ皇帝とアメリカの大統領を比較するのはナンセンスであるが、両者の違いは期間の差(皇帝は死ぬまで)位しかないというと言い過ぎであろうか。ローマ皇帝も意外と民の声を無視して政治は行われなかったようである。

ローマの滅びの原因は皇帝の独裁機能が行き過ぎてしまったからではないか。チェック機能がない独裁は組織を中から腐らせる。これはローマの歴史が証明済みである。
 ゲルマン民族に滅ぼされたのが史実だが、ゲルマンという外因は有ったにせよローマは中から滅んだといっても過言ではないだろう。何故ならローマの千年近い歴史はずっと外敵との戦いの連続だったからである。ゲルマン民族とて、かっては何回も押し返し、征服してきたのだから。
 興味がある人は「塩野七生」女史の「ローマ人の物語」がやさしく面白く読めるであろう。一度は読まれる事を薦める。

だから組織を大きくしたかったら、ある程度の独裁を認めるべきである。しかしそれもローマ全盛期やアメリカの大統領制の様にそれをチェックする機能が健全に働くようにしておかなければ反対に滅ぶ。  
 それゆえ権力が集中している組織はチェック機能さえしっかりしていれば、かえって決断が早い分、効率が良い。それゆえ指導者が有能ならば早く大きく強くなれることは間違いない。
これこそ暗殺されたシーザーが目指した所ではなかったろうか。

グローバルな時代では、広い視野と将来を見据えた戦略、その上にスピードが求められる。そのスピードゆえに独裁型つまり皆の先頭に立って引っ張って行く西欧型の騎馬民族型の指導者が望まれるのかも知れぬ。
 従業員の多寡に拘らず経営者と名の付く人は歴史映画や歴史小説を学ぶ意義をこんな所に見出しては如何であろうか。今日は真面目すぎて落ちもなくごめん。
  おっとと。歴史も学ばない経営者のいる会社は潰れてしまいますよ。ご用心

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