2010年5月26日水曜日

トルコにはアジアとヨーロッパが2つあるよ




マルコポーロが 800年前に東西を行き来した頃は何年もかかったのだが、今ではここトルコも直行便のお陰で12時間程と身近な国になった。そのアジアの東の端が韓国、日本であれば、西の端のアジアがシルクロードの終点トルコである。そのトルコという国、アジアとヨーロッパが接する2つの顔を持つ国という事を知る人は意外と少ない。

その東西2つが接する所がトルコ最大の都会イスタンブールのボスポラス海峡である。海峡の 一番狭い所はなんと600メートルとの事。その距離のお陰で古代からアレキサンダー大王やジュリアス・シーザーなどの征服者達が渡った海峡だが戦略的に重要地点ゆえ、西欧諸国が重要視している場所である。つまりロシアの艦隊が黒海からボスポラス海峡を通って隙あらば地中海へ出ようとしている場所でもある。
EU諸国としてはトルコをEUに入れるそぶりで引っ張りながら、NATO軍事同盟に加盟させロシアを押さえているという複雑な地形である。

今回は高いツアーのお陰で時間的に余裕があったので、ガイドに頼んで海峡を渡ってもらいアジアサイドに行って来た。そこは歌に出てくる「ウシクダラ」という何もないところだが、そこの海岸からヨーロッパサイドと海峡にかかる橋の写真を撮って帰って来ただけだったが、観光スポットが全てヨーロッパサイドに固まっているイスタンブールゆえアジアサイドに立ったという事は皆それなりに感動したようだった。  
特に橋を往復するとき、橋の最後にかかる黄色の看板「WELCOM TO AJIA=アジアにようこそ」「WELCOM TO EUROPA=ヨーロッパにようこそ」を目にした時には感動がピークに達したようだった。

そのアジアサイドの海岸で面白い工事を見た。大成建設の看板が立てかけてあるのですぐ分かるのだが、映画や小説で有名なオリエント急行の終点駅を海峡トンネルを掘ってアジアと繋げる工事である。つまりヨーロッパサイドで終わっている有名なオリエント・エックスプレスを船を使わず、乗り換えなしでアジアまで繋げる工事との事。

鉄道といえば遅ればせながらアメリカに新幹線を売り込んでいるようだが、こればかりは、いかに親日的なトルコでも日本の新幹線を買えない歴史的背景がある。それはこの国が昔から付き合いのある技術国ドイツという国が大きく立ちはだかっているからである。 そんなハンディがあるにも関わらずボスポラスに掛けた第2の橋は日本の建設会社が1973年に受注し、とても好評。その受注合戦は今でも語り草になっているが、時の欧米の首脳達が強烈に抗議したとのこと。サッチャー首相が急先鋒だったことは私でも記憶している。
だからこそ今回のトンネル工事の件、大成さん良くがんばったと誉めてあげたい。トルコ国民に日本の技術力の凄さを見せ、また喜ばれることを期待したい。

ともかく顔は西洋、心は東洋という魅力的な国トルコ。これからもっと人気の出る国のひとつであろう。ここトルコへの日本人観光客の半分以上が「トルコが良かった」との口コミで来ていることがそれを示している。ちなみにここへ来る時は塩野七生著「コンスタンチノープル陥落」を見てくると旅が身近になって面白いこと請け合い。是非読んで欲しい。

熟年には「ウシクダラ、ウシクダラはるばる来れば」なんて江利チエミの歌もあったが。今では「それって何」と言われるのが落ちなので、この歌の事は紹介しないが、ウシはウシでもこの国の「牛」や「ヨーグルト・生チーズ」を沢山食べに来て欲しい。トルコ民族も元をたどれば中国の北西にいた遊牧民ゆえ東洋の香りを残した肉や乳製品がやたらと上手い。 つまり味付けが日本人好みなのだ。
特に肉の「シシケバブ」、ヨーグルト・ドリンクの「アイラン」という飲み物は私の一押しです。    
「ケバブ食べてアイラン飲もう」ってか  「淫乱」ではありません、「アイラン」です。

PS:高いツアーでの特典紹介
①今回イスタンブールのインターコンチネンタルホテルへ3泊。内容が14階以上でボスポラス海峡が見える部屋との条件でしたが、14階以上に泊まる宿泊客には毎日16階のラウンジでアルコールを含む飲み物と軽いつまみの食べ放題、飲み放題が付いている。高いツアーを選んだ場合はこんな特典が付いている事が多いので行く前に確認すると良いでしょう。今回頂上レストランが夕食として付いていたので、夕食前に皆でここへ集まり一杯飲んでからレストランへ行った。でも夕食会場での飲み物代は高かったよ。
②通常ホテルのサウナやプールは無料だが、このホテルのトルコ風呂とその前にあるスチームサウナも勿論無料。是非夫婦でトライしてもらいたい。疲れも取れるし、トルコ風呂のイメージが変るかも。
勿論水着をお忘れなく。