2009年9月1日火曜日

トルコのガイド2人

先日私がわらじを脱いでいる会社に、昔一緒に仕事をしたトルコのガイド(男性)が2人してひょっこり訪ねて来てくれた。トルコの大地震でめっきり観光客が減り、暇になったので、ルック関係者のつてで新宿の超高級ホテルを1日一部屋8千円弱で泊まり、日本語の勉強、ルックツアーのプランニングの手伝いらしい。
 彼らもこれが初訪問ではなく、全て自費なので、物価の高い日本では大変だと思うのですが。何回も来たくなる彼らの本当の目的は日本女性に有ると思っているのですが。
 
まあともかく彼らの『もて方』というのは羨ましいの一言。何故かとつらつら考えて見るに、外見は完全な白人、心が半分日本人。これに尽きる。東洋の人は本能的に白人の異性に弱いのですが、言葉の問題、自己主張の強すぎる部分(つまり性格)などで我々にも十分勝つチャンスは有るのですが、この2つまでクリアーされてしまったら(つまり日本的な感覚まで持たれてしまったら)平均的な日本の男なら、素直に降参。それはねーよな~と言うしかあるまい。

久しぶりに話が弾んだのですが、一番印象的な事は、一生懸命トルコはイスラム国ではない事を強調していた。この国の知識人達(ガイドはトルコではかなり知識人レベル)もEUに入りたくて結構無理してるなーと感じました。
 日本人がお寺に行かないから仏教徒で無いとは外人は考えないだろう。それの反対と思えば納得していただけるだろうか。日本人は仏教で愛と浄土を、儒教で忠孝や礼節を、神道でよろずの神や穢れを、つまり習慣や行事の中から、そのアイデンティテーをなんとなく身につけている世界でも珍しい中庸な民族と言える。

私に言わせればトルコなどはイスラム教にどっぷりとまでは言わぬが、かなりの生活習慣にイスラムの影響を受けている国と断定して良い。よって彼等はイスラム国と十分に言える。さもなくばもっと早くEUに入れたはずです。良い例が欧州の高度成長時に入った出稼ぎ人が残ってしまったドイツ。
 ドイツのあちこちにトルコ村が出来、問題が起きている事は皆もTVなどで見ているでしょう。女性は髪を隠すスカーフを使うので、ドイツの女性は冬でも頭にスカーフをやらなくなった。キリスト教の行事に参加せず、仮のモスクを作りそこに集まりコミュニティを作る。摩擦は起きるべくして起きたと言える。

でもトルコは地政学的に見ればヨーロッパには必要不可欠なので、ロシア側に取り込められる前にNATOに取りこんでしまった。それゆえ今度はEUである。トルコサイドではこのガイド達のように知識人はEUに入れば豊かになる事は皆知っている故、必死にトルコは西洋だ西洋だと強調するのだろう。
 ロシアには何回も戦争で領土を取られているので、間違えてもロシアとは手を結ばないと思うが、隣のギリシャ(EUメンバー)とはキプロス島問題と言うより、隣の家との間に良くある、本能的な犬猿の仲。それに加えて欧州主要国のイスラム教嫌いがトルコのEU入りを阻んでいる。
 それ以上に宗教の違いと言うのは大きい。確かに今のイランや中東やアフリカのイスラム国を見れば宗教を政治から離すという事が、いかに難しいかを分からせてくれる。しかしそれをこの国でやった男がいる。

その人の名はケマル・アタチュルコという。この男は間違いなく20世紀の英雄の1人であろう。1次大戦の末期ギリシャ、英、仏、伊の連合国に国を滅ぼされる寸前に今のトルコの大きさをともかく保った(勿論昔の大国ではないが)。正に救国の英雄です。若き日のチャーチルを追い返した男と言えば少しは納得しますでしょうか。いつの日かトルコに行ったら必ず彼のお墓を見て、数々の写真から彼の目の輝きの凄さを見て欲しい。
 政教分離を始め、アラブ文字をローマ字化したりなど、全てを西欧化した人物です。今なら確実に暗殺されていたろうが、彼はまともに死ぬ。もしトルコがEUに入れたら、それはすべからくケマルのお陰であろう。

この国の魅力に取り付かれた日本人の多くが言う。「ロシヤを破ったと言う事やハイテク商品の凄さから、日本人には尊敬の目で接してくれる。」と。
 日本人にとってイスラム圏として快適に旅ができる数少ない国であろう。温泉や、奇岩の自然、踊るイスラム教、トロイの木馬、ギリシャローマ遺跡、東西のぶつかるイスタンブール。ヨーロッパに物足りなさを感じたら、ここを旅する事を進める。
『お嬢さんたち~ トルコ風呂ばかりじゃないんですよ~』
 また落ちが下品になってしまった。ごめんなさい

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