東日本の大災害で危機管理が随分と話題になり、ついスイスのそれを思い起こした。福島の議会でも原発と津波の危険性を注意喚起していたし、有識者の多くも同じ事を言っていた。それを議会は否決し、有識者の警告も東電は無視した。それゆえ原発事故は人災といってよい。スリーマイルやチェルノブイリの怖さを身近に感じていたにも関わらず、想定外といい続けた東電の経営者や議会人の責任はどうなるのか?。
それに引き換えスイスのそれはこれでもかと言うほどに想定外を準備している。
その1軍事:米ソ対立のさなか永世中立を謳い、国全体をはりネズミのように武装していたことは有識者なら知っているだろう。「中立だから誰も責めないで」などというかっての非武装中立を唱えた社会党のような甘い考えには立たず、20歳~50歳までの男子に兵役を義務付けていたのは有名な話。ツアー客にそのことを話すと皆感心したものだ。
その1軍事:米ソ対立のさなか永世中立を謳い、国全体をはりネズミのように武装していたことは有識者なら知っているだろう。「中立だから誰も責めないで」などというかっての非武装中立を唱えた社会党のような甘い考えには立たず、20歳~50歳までの男子に兵役を義務付けていたのは有名な話。ツアー客にそのことを話すと皆感心したものだ。
冷戦も終わった今、兵役はゆるくなったとはいえ、今でも19歳になると20歳までに15週間の兵役を終え、40歳までの22年間に3週間の兵役を10回やらねばならぬ。700万チョットの人口。九州より小さい国なのに陸海空の3軍を持ち(海軍は湖があるので)、軍需費5000億を超える予算。職業軍人は3400人あまり、30万ほどの現役兵と40万ほどの予備役兵がいる。国の豊かさを保つのにこれだけの準備をしている。だからヒットラーもスイスを迂回してイタリアに入ったのだ。
面白い経験がある。ユングフラウの登山列車の中で機関銃を持ち、完全武装をした山の若者を何人も見たときには驚いた。その若者に詳しくは聞けなかったが兵役への行き帰りの様子が楽しそうで、かつ生き生きとしていたのがとても印象的であった。自衛隊アレルギーの政治家先生や戦争アレルギーの有識者に見せたかった。
その2核シェルター:冷戦中までは各家庭にシェルターを義務付けられていた。写真右の核シェルターはNetに出ていたスイスに住む日本人家庭の写真を拝借しているが、政府が半分補助費を出すとのこと。3ヶ月分の食料備蓄から始まって空気清浄機、水・薬その他の保管が義務付けられていた。スイスにガイド氏が付くツアーが少なくなったのでこのシェルターと備蓄の事は何処まで義務付けられているか聴けないのが残念だが、次に行ったら一般人に聞いてみようと思う。
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